光ファイバーと同軸ケーブル（CATV）の違いをわかりやすく解説

「光と同軸どっちがいいの？」
「光回線とケーブルネットの違いは？」

近年、光回線がネット市場の通信関連の大半を占めますが、同軸ケーブルでもネット回線を利用できます。

ふじもん

光回線と同軸回線では、ネット速度的には光回線がおすすめです。

光回線を提供する通信事業者はドコモ光やauひかりなどがありますが、同軸回線を使ったネットサービスを展開するのはJCOMを中心とするケーブルテレビ局のみとなります。

この記事では、光ファイバーと同軸ケーブルの違いについて分かりやすく解説します。

光ファイバーと同軸ケーブルは、そもそも回線の種類が全く異なり、ネット利用に際しては、光ファイバーを使ったFTTH方式と、光ファイバーと同軸ケーブルを併用するHFC方式に区別されます。

光回線と同軸回線それぞれ特徴が大きく異なるので、この記事を読んで、自分の環境に合ったネット回線を見つけましょう。

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光ファイバーと同軸ケーブルの特徴

光ファイバーは、ネット利用を前提に作られた回線、同軸ケーブルはテレビ視聴を前提に作られた回線です。

光ファイバーの特徴

光ファイバーとは、石英ガラスや高性能プラスチックでできた細い繊維のことです。

石英ガラスとは、金属などの不純物を含まない高純度の二酸化ケイ素で構成されるガラスです。

たかし

石英ガラスは通常のガラスに比べ、熱や衝撃に強く、この石英ガラスが光ファイバーのネット回線を高品質たらしめる理由なんですね。

高性能な光ファイバーの中を光信号が通って、外から宅内に光回線を届けます。

光ファイバーは耐久性に強い特徴があり、伝送距離が長くなっても電波の減衰が起こりにくく、ノイズが入り込む可能性も低いので、安定したネット電波を届けられるわけです。

同軸ケーブルの特徴

同軸ケーブルは、電気通信を流すために用いる導線で、主に映像などの情報を流すのに使われます。

信号を伝えるための導線を軸にして、導線の周囲を絶縁体やアルミ箔で覆い、外からのノイズを防ぎます。

光ファイバーと比較すると、ノイズを拾いやすく、伝送距離が長くなればなるほど電波の減衰が起こりやすい特徴があります。

宅内に引き込むまでに、電波の減衰が起きないよう、中継地点で増幅器を設置し電波を増強します。

たかし

宅内でも電波の減衰が起こるようなら、宅内ブースターを設置し電波を増強させることもあるよ。

特に戸建てで、「テレビを複数台設置」、または「ネットや固定電話も同軸ケーブルで利用」などの場合は、ブースターを設置することが多いです。

FTTHとHFCの違いは

光ファイバーと同軸ケーブルは、そもそも回線の種類が全く異なり、ネット利用に際しては、光ファイバーを使ったFTTH方式と、光ファイバーと同軸ケーブルを併用するHFC方式に区別されます。

光ファイバーを使ったFTTH方式

FTTH（Fiber To The Home）は、引き込みから宅内の光コンセントまで全て光ファイバーでネット回線が利用できる仕組みです。

全てが光ファイバーだと、電波の減衰が起きにくく、安定したネット回線が利用できると言われています。

各おうちまでの引き込みは、光スプリッタを用いることで複数世帯で光回線を分け合うことができます。

戸建ての場合は、光回線を利用しようと思うと、外から宅内に入線するため、必然的に宅内側も全て光回線であるFTTHで利用できますが、マンションで光回線を利用する際は注意が必要です。

けんた

マンションの場合、外からの引き込みは光回線でも、マンションの中が光ではなく、FTTH方式ではない可能性があるんだよ。

既築マンションの場合、棟内の設備はあらかじめ決まっているので、FTTHではなく、FTTB（マンションまでは光回線）でのネット利用になることがよくあります。

マンション内の配線が光ファイバーでないと、FTTHよりも通信速度が減衰する可能性が高いのでご注意ください。

同軸ケーブルを用いたHFC方式

同軸ケーブルは、もともとテレビ視聴をするための回線で、JCOMなどのケーブルテレビ局では、テレビとあわせてネットも同軸回線で利用できる仕組みになっています。

同軸回線の場合は、外のノードアンプまでは光ファイバーを利用し、ノードアンプから宅内までは同軸ケーブルを利用します。

宅内線は全て同軸ケーブルになるため、宅内でも電波の減衰が起こる可能性があります。

けんた

同軸回線でネット利用する際は、増幅器が必要なことが多いいよ。

外側のノードアンプまでが光ファイバー、ノードアンプ以降は同軸ケーブルのネット回線の仕組みをHFC（Hybrid fiber coaxial）、光ハイブリット方式とも言われます。

HFCとFTTHを併用するJCOM光

ケーブルテレビ局最大手のJCOMでは、同軸ケーブルを使ったHFC方式でのネット回線と、光ファイバーのFTTHを併用しています。

同軸回線と光回線を唯一選択できるJCOMネットの歴史を知ることで、より一層同軸回線と光回線の違いを理解できるので、詳しく解説していきます。

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JCOMネットの変遷

もともとJCOMはケーブルテレビ局から始まった企業です。

そもそもケーブルテレビの最たる目的は、難視聴地域にテレビ電波を届けることであるため、同軸ケーブルはネット回線を提供すること前提に作られていません。

しかし、近年のネット社会に対応するため、JCOMネットも時代とともに大きく変化を遂げてきました。

もともと、JCOMの同軸回線ネットは、320MBコースの提供が限界で、上り最大速度が10Mbpsと、特に上りの電波には大きな課題がありました。

そこで同軸回線でも1Gbpsの速度に対応するために、新たにドクシス3.1という規格が採用されました。

ドクシス3.1の規格で、1Gbpsの同軸ネットを利用するためには、棟内共用部分に設置されているブースターを、ドクシス3.1ブースターに変更しなければなりません。

ゆかり

同軸回線を用いた1GBプランを利用するには、共用部分のブースター工事が必要なの。ドクシス3.1化とは、集合住宅向けJCOMネットの1Gbps対応のことなのよ。

JCOMでは同軸回線の1GBコース対応を広げるために、2010年代後半から、導入マンションのドクシス3.1化を進めています。

しかし、エリアやマンションによっては、ドクシス3.1化されていない建物もあり、その場合のネットサービスは従来の320MBコースのみの提供になっています。

JCOM光のFTTH化

JCOMネットは、集合住宅のドクシス3.1対応を進めるのと同時に、戸建のFTTH化も進めています。

JCOMが提供するネットサービスを含めた電波は、その他FTTHサービス提供事業者と、そもそもの電波伝送方法が異なるため、FTTHの導入は難しいとされていました。

JCOMはテレビの電波とネットの上り下りの電波、合計3波を同時に流すため、光ファイバーの中が2芯になっています。

一方で、その他FTTH事業者はテレビ電波を流す必要がないので、光ネットの上り・下りの2波のみを流します。

つまり、光ファイバーの中は1芯になるわけですね。

ゆかり

JCOMの場合、テレビ電波を流すので、2芯にならざるを得ないのね。

光ファイバーを通ってきた電波をテレビ信号、ネット信号に分け、それぞれテレビはV-ONU（チューナー）、ネットはD-ONU（モデム）を通して、ケーブルテレビとネットを併用利用します。

つまり、JCOMがFTTH化すると、テレビサービスが絡む場合は、FTTHの光回線とテレビの同軸回線、2本が必要になるわけです。

近年のネット社会に対応するために、JCOMでは同軸回線と光回線を2本併用することでFTTH化を進めました。

ゆかり

JCOMでFTTH化を進めていくことは簡単ではないのね。

JCOMのFTTH化はエリアによって3つのパターンでサービス提供しています。

関西エリア以外では、auひかり網をJCOMでそのまま流用するか、NTTが敷設した光回線を借りてFTTHサービスを提供しています。

関西エリアでは、JCOM自前でFTTH回線設備を整えているため、JCOM独自回線となります。

ゆかり

関西以外で利用できるJCOM光FTTHサービスは、JCOMネット光コースon auひかりと呼ばれるわよ。

JCOMネット光コースon auひかりでは、エリアによって5GBコース、10GBコースが利用できない場合がありますが、関西のJCOM光FTTHサービスでは、FTTH対応エリアであれば5GB、10GBコース共に利用可能です。

FTTHとあわせて、従来のケーブルテレビサービスを利用する場合は、テレビ用に同軸回線も必要になりますが、テレビとネットの回線を分けることでFTTH化に成功したのです。

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光ファイバーと同軸ケーブルによくある質問

光ファイバーと同軸ケーブルによくある質問と回答をまとめました。

まとめ

光ファイバーと同軸ケーブルでは、それぞれサービス利用の前提が異なり、光ファイバーは高速ネット、同軸ケーブルはテレビ視聴するための回線設備です。

JCOMネットは、マンションであれば同軸回線を使った1GBネット、戸建てであればFTTHを使った高速ネットがおすすめです。

特に、同軸ケーブルを使ったネット回線だと遅いというイメージを持たれがちですが、JCOMでは近年の技術により、快適にネット利用ができる取り組みがなされています。

ゆかり

とはいえ、ネット利用前提なら、FTTHを選ぶ方がいいわよ。

お住いのエリアや住居形態、また、有料テレビやスマホ回線をどこで利用しているかなど、様々な状況を加味して、FTTHと同軸回線を使い分けましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。