光回線とADSLの違いは？見分け方をわかりやすく解説

「ADSLと光回線って、何が違う？」
「ADSLっていつ終わるの？」
「ADSLから光回線へ乗り換えってどうやるの？」

ADSLは2000年代初頭日本全国に普及しましたが、2024年3月にサービスが完全に終了することが決まっています。

高速通信へのニーズの高まり、光回線やスマホの普及、設備の老朽化などから、将来継続的なサービス提供を維持できなくなったからです。

ふじもん

ADSLから光回線へ乗り換えるにはどうやったらいいか、どこに乗り換えたらいいか分からなくて困っていませんか？

この記事では光回線とADSLの違いや見分け方、乗り換える際に確認するポイントや注意点など、詳しく解説します。

最後まで読めばADSLから光回線へスムーズに乗り換えて、今までは考えられなかった高速で安定したインターネット環境が得られますよ。

光回線とは？

光回線とはデジタル信号を光信号に変換し、光ファイバーケーブルを通して送受信するインターネット回線です。

光ファイバーは石英ガラスやメタクリル樹脂というプラスチックでできており、光の反射や屈折を利用してデータを送ります。

光回線は電磁波の影響を受けないので、基地局から離れていても信号が劣化したり弱ったりせず、目的地まで到達可能です。

令和元年に総務省が行った通信利用動向調査によると、ブロードバンド回線を利用している企業は96.8％、そのうち光回線を利用している企業は86.9％とブロードバンド回線の大半を光回線が占めています。

ADSLとは？

ADSLは「Asymmetric Digital Subscriber Line」（非対称デジタル加入者線）の頭文字を取ったもので、平たく言うと電話線を使ったインターネット回線です。

電話線は銅線でできており、メタルケーブルとも呼ばれます。

ADSLはデジタル信号をアナログ信号（電気信号）に変換し、メタルケーブルを通して送信する仕組みです。

通常電話では利用しない高周波数帯を利用するので、固定電話の電話線をそのまま使ってインターネットが利用できます。

以前は日本全国の家庭に固定電話があり、大がかりな工事不要でインターネットができるとあって、ADSLは爆発的に普及しました。

たかし

しかしメタルケーブルは電磁波の影響を受けやすいため、基地局から離れるほど通信速度が落ちるんだ。

光回線とADSLの違い

光回線とADSLには3つの違いがあります。

ひとつひとつ解説します。

通信速度

光回線とADSLの最大の違いは通信速度です。

光回線の最大通信速度は現在1Gbps※が一般的で、一部地域で2Gbps～10Gbpsの回線も普及しつつあります。

データを送信することを「上り」、データを受信するのが「下り」といい、光回線は上り下り関係なく大容量を高速で通信が可能です。

ADSLはダウンロード（下り）する際の最大通信速度が50Mbpsで、光回線の約１/20程度です。

これは時速285Kmの新幹線と時速15Kmの自転車ほど違います。さらに送信（上り）の最大通信速度は5Mbpsで、光回線の200倍も時間がかかります。

安定性

光回線とADSLでは通信の安定性も違います。

光回線で使用している光ファイバーケーブルは外部からの影響を受けにくく、伝送距離に関係なく、大容量のデータを高速で通信可能です。

そのため高解像度の動画視聴やオンラインゲームでも安定してインターネットを利用できます。

一方ADSLで使用しているメタルケーブル（銅線）は外部からの影響を受けやすく、基地局から遠くなるほど、データが劣化したり弱ったりします。

そのためADSLでは動画の途中で途切れたり止まったりすることもしばしばで、高解像度の動画視聴やオンラインゲームには不向きです。

利用料金

固定電話があれば工事不要で使えたADSLとは違い、光回線を利用するためには開通工事が必要です。

月額料金も多少ADSLより高いイメージがあるかもしれません。一般的な工事費用と月額料金の比較は以下の通りです。

光回線は事業者や代理店によって、以下のような様々な特典を用意している場合が多いです。

たかし

工事費用や月額料金だけを見ると、ADSLの方が安く感じるかもしれない。

しかし特典を上手に利用すれば、高速通信が可能な光回線にお得に乗り換えられるんだ。

光回線とADSLの見分け方

光回線とADSLのどちらを契約しているかわからない時は、以下の方法で確認できます。

具体的に解説します。

契約書類で確認する

一番確実なのは契約書類の確認です。

開通時に送付された書類に、契約サービス名の記載があります。

ADSLなら「ADSL」、光回線なら「光」の記載があるはずです。

開通時の書類を紛失してしまった場合は、毎月届く請求書に記載の回線業者に電話して確認しましょう。

設置されている機器で確認する

ADSLを利用している場合は、室内にスプリッタ（分波器）とADSLモデムがあります。

壁のモジュラージャックからスプリッタという小さな箱につながっており、そこから一方は電話へ、もう一方はADSLモデムへと分かれて配線されている場合が多いです。

ADSLには「ADSL」と記載があります。ADSLモデムにスプリッタが内蔵されているときは、スプリッタはありません。

光回線を利用している場合は、室内にONU（またはホームゲートウェイ）かVDSLモデムがあります。それぞれ機器には品名が記載されているので確認しましょう。

たかし

ちなみに、住まいの集合住宅が光回線のLAN配線方式の場合は、室内にWi-Fiルーターしかない。

光回線とADSLは併用できるのか

光回線とADSLの併用は基本的には可能です。

なぜなら光回線とADSLはそもそも全く別の回線だからです。

ただし集合住宅の場合、光回線の開通工事には集合住宅のオーナーや管理組合の許可が必要です。

集合住宅にお住まいの場合は一度、管理会社や管理組合に相談しましょう。

戸建の場合併用は可能ですが月額料金は別々にかかります。

しかしADSLから光回線に乗り換える際、一時期インターネットや電話が使えなくなるのが心配なら、光回線を開通させてからADSLを解約しても問題ありません。

ADSLは2024年3月に終了

NTTフレッツADSLは、2023年1月31日にサービスが終了します。

Yahoo！BB ADSLはすでに2020年3月から一部地域から順次終了しており、2024年3月には完全に終了することが決まっています。

2000年頃ADSLは爆発的に普及しました。

しかし時代の流れとともに光回線やスマホの普及でADSLの利用者数は年々減少、さらに電話線設備の老朽化も進みました。

ひろみ

ADSLの機器は製造終了しており、故障しても直せない可能性もあり、今後サービスを維持するのは難しい状況。

ADSLの完全終了が決まったのは自然の流れね。

ADSLから光回線へ乗り換える際に確認すべき3つのポイント

ADSLから光回線へ乗り換える際、以下の3つのポイントがあります。

乗り換えてから後悔しないように、しっかり確認しましょう。

月額料金の安さ

実は月額料金は光回線の方がお得なケースが多いです。

光回線の月額料金はADSLより高いと感じる方も多いですが、最近はADSLより安い事業者が増えました。

アナログの固定電話を利用している場合、月額の電話料金はひかり電話にすれば1/3程度で済みます。

またスマホのセット割や、条件があえば1年間月額料金が無料になる事業者もありますよ。

契約期間の縛り

最近は契約期間の縛りがない事業者も多いです。

以前はどこの光回線事業者も2年または3年の契約期間を設けており、契約期間内に解約したり、更新月以外で解約すると違約金がかかりました。

2年または3年の自動更新といった契約期間の縛りのない事業者と契約すれば、いつ解約しても違約金が発生しません。

通信速度の速さ

光回線はADSLに比べて通信速度が圧倒的に早いです。

高画質の動画やオンラインゲームがなかった時代は、ADSLのインターネットで満足できました。

しかし今やオンライン授業やZOOM会議、映画鑑賞やスポーツ観戦といった、途中で止まっては困るシーンが増え、通信速度は最も重要なインターネットの条件です。

ADSLから光回線へ乗り換えるのにおすすめのサービス

これから光回線への乗り換えを検討している方におすすめなのが、次のサービスです。

おてがる光とGMOとくとくBB光は、契約期間に縛りが無く、月額料金が安いので、コスパ重視の人向けと言えます。

ドコモ光は工事費無料と高額のキャッシュバックが魅力。もちろん料金や品質などのバランスも良いです。

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ADSLから光回線へ乗り換える際の注意点

ADSLから光回線へ乗り換える際、以下のような注意点があります。

どういった時に当てはまるか、一つ一つ解説します。

工事費用かかるケースがある

光回線は、光ファイバーケーブルを引き込む開通工事が必要です。

通常工事費用として15,000円～44,000円ほどかかりますが、条件によっては工事費用が無料になります。

工事費用を分割支払いにし、月々の支払い分を割引することで、工事費用が実質無料になるところや、キャンペーン期間中なら工事費用は完全無料のところもあります。

ADSL終了間近のため、各社ADSLから光回線への乗り換えキャンペーンがあり、むしろ工事費用がかかるケースの方が少ないです。

開通まで時間がかかるケースがある

光回線は通常開通工事まで2週間～2カ月かかります。

工事業者が訪問して工事をするので、工事業者の予約状況によるからです。

ADSL終了が近いため、予約が集中すると、3カ月以上待たされる場合もあります。

まだADSLから乗り換えていないなら、なるべく早めに乗り換えましょう。

解除料がかかるケースがある

Yahoo！BB ADSLは解除料が設定されていて、契約解除料不要期間以外の解約には解除料が必要なプランがあるので注意が必要です。

解除料が設定されているのは以下の6プランがあります。

中でもYahoo！BBバリュープランで契約していた場合、契約期間満了月、その翌月と翌々月以外で解約すると10,450円の解除料が発生します。

プロバイダの解約も必要なケースがある

プロバイダとはインターネットサービスプロバイダ（ISP）の略です。

インターネットを利用するためには回線業者とプロバイダの両方と契約が必要で、解約する際は両方の解約が必要です。

Yahoo！BB ADSLはADSL回線の事業者とプロバイダが同じYahoo！BBなので、解約手続きは１度で済みます。

NTTフレッツADSLの場合、ADSL回線の事業者であるNTTとは別に自分で最初に決めたプロバイダと契約しています。

NTTフレッツADSLを解約するだけだと、翌月以降も毎月プロバイダの月額料金が引き落とされるので、プロバイダも忘れず解約しましょう。

プロバイダの解約金が発生するケースもある

プロバイダも契約更新期間以外で解約すると、解約金が発生する場合があります。

もしプロバイダを忘れてしまった時は以下の方法で確認できます。

分からないままに放置しておくと、解約後も毎月無駄にプロバイダの利用料を支払うことになるので、忘れないうちに調べて解約しましょう。

今までの電話番号が使えなくなるケースがある

ADSLの電話番号には、以下の2タイプがあります。

電話共用タイプは、もともと電話回線で電話を利用していた音声通話とADSLでのインターネットを共用しているタイプです。

NTTの電話加入権を持っていると使える番号で、ADSLを解約してもそのまま使えます。

ADSL共用タイプはADSLのアナログ回線を新規で導入し、ADSLでの音声通話とインターネットを共用するタイプです。

ADSL共用タイプは、ADSLを解約すると使えなくなる電話番号です。

ADSLから光回線へ乗り換える流れ

ADSLから光回線へ乗り換える流れは以下の通りです。

それぞれ順番に解説します。

1.乗り換え先の光回線へ申し込む

乗り換え先の光回線が決まったら、まず光回線の申し込みをします。

申し込み方法は以下の3通りです。

それぞれ一長一短があるので解説します。

店舗で申し込む

しっかり資料を観ながら説明を受けたい場合は、店舗で申し込むのがおすすめです。

身分証明書やクレジットカード、スマホをもって行けば、その場で契約できます。

ただし、店舗の場合は混雑していると待ち時間が長くなったり、さまざまなオプション契約をすすめられたりするかもしれません。

電話で申し込む

電話で申し込むと、オペレーターから丁寧な説明を受けられ、納得いくまで質問できるので安心です。

店舗同様さまざまなオプション契約をすすめられたり、繋がるまでに待たされたりすることもあります。

しかしWEBからの申し込みが不安なら、電話申し込みがおすすめです。

WEBで申し込む

WEBからの申し込みなら24時間好きな時に申し込めたり、無駄なオプションをすすめられたりせずに済みます。

「当サイトからの申し込み限定」といった特典や、キャッシュバックが受けられるサイトもあり、一番お得なのはWEBからの申し込みです。

2.ADSLの解約を申し込む

ADSLの解約は電話でのみ行えます。電話番号は以下の通りです。

それぞれ解説します。

NTTフレッツADSLの解約手続き

NTTフレッツADSLを電話で解約したら、プロバイダの解約も忘れずにしましょう。

プロバイダの解約は電話やサイトから手続き可能です。

NTTフレッツADSLは、解約した日までの利用料金が日割りで計算されます。

Yahoo!BB ADSL サービスの解約手続き

Yahoo!BB ADSLサービスを解約する際は、カスタマーIDが必要です。

分からない場合は契約時に届いているスターターパックの書類を確認するか、以下の方法で確認します。

解約の窓口は2つあります。

ADSLより以前から固定電話の利用があったらタイプ1の電話共用タイプ（電話加入権あり）、ADSLより以前に固定電話の利用がなかったらタイプ2のADSL共用タイプ（電話加入権なし）です。

3.光回線の開通工事

光回線の申し込み後、派遣工事の日程が決まったら連絡があります。

当日は立ち会いが必要なので予定は空けておきましょう。

戸建と集合住宅では工事内容が少し異なります。

戸建のマイホーム

戸建の場合、屋外工事と屋内工事の2種類の工事があります。

NURO光やauひかりなど一部の光回線事業者は2日に分けて工事があり、二日とも立ち会いが必要です。

NTT光回線（フレッツ光・光コラボ）は派遣工事は1日で完了します。

集合住宅

集合住宅では、すでに光回線が導入されているかどうかで手順が違います。

新規で光回線を引き込む際は、あらかじめ管理会社や管理組合から工事の許可が必要です。

分譲マンションであっても、共用部は個人の持ち物ではないので勝手に工事はできません。

建物全体に導入されていなくても、個人的に引いても良い場合は、エアコンダクトを利用して自分の部屋に引き込めます。

たかし

光回線が導入済みの工事は、集合装置（MDF）の部分と室内の2カ所で行われる。

集合住宅では光コンセントの位置は自分で決められない場合がほとんどだが、立ち会いは必要だ。

4.レンタル機器を返却する

今まで使っていたADSLモデムやケーブルなどのレンタル品は返却します。

NTTフレッツADSLとYahoo!BB ADSL サービス、それぞれの手順は以下の通りです。

NTTフレッツADSL

解約の申し込みをすると返却キットが届くので、レンタル品は全て入れて2週間以内に返送します。

送料はかかりません。

Yahoo!BB ADSL サービス

Yahoo！BB ADSL サービスの場合は返送用キットは届きません。

送料自己負担で梱包して下記あてに宅急便で送り返します。

宅配業者はどこでもいいですが、送り状は大切に保管しておきましょう。

光回線とADSLによくある質問

光回線とADSLについてよくある質問と回答を紹介します。

まとめ

この記事ではADSLについて解説しました。

ADSLは2024年3月にサービスが完全に終了します。

最後まで読めばADSLから光回線へスムーズに乗り換えて、快適なインターネットが利用できる方法がわかります。

またおてがるネット編集部では、ADSLから光回線へ乗り換えるのに次のサービスをおすすめしています。

この記事を参考にしていただき、光回線へ素早く乗り換えて、ADSLでは経験できなかった快適なインターネット環境を実現していただけると嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。